営業相手に褒められて、ちょっと思った話

広島でホームページの制作と保守をしている川島です。

自分のサイトを公開したのが、今月の中頃でした。それから、営業の電話が増えました。

以前はこんなことはありませんでした。

どこから見つけられたのかは、実のところ分かりません。

心当たりはいくつかあります。特定商取引法に基づく表記に、氏名と住所と電話番号を載せていること。名簿業者のデータに載ったのかもしれないこと。公開した直後に、コミュニティでURLを出したこと。SSL証明書の発行記録は「証明書の透明性」という仕組みで公開ログに残るので、新しく出てきたドメインとして拾われた可能性もあります。

ただ、どれが実際の経路だったのかは、確かめようがありません。

確かめられないことは、書かないでおきます。


乗るふりをして、聞いてみた

先日、営業の電話がかかってきました。

契約する気はなかったのですが、こちらも営業をしている身なので、少し気になりました。この人はどう営業するんだろう。私の事業は、外からどう見えているんだろう。

勉強になりそうだと思って、乗ってみました。お時間を使わせてしまったのは、すみません。

そのとき考えていたことを書きます。


めっちゃ褒められた

正直に書くと、悪い気はしませんでした。

事業の内容を褒められ、考え方を褒められ、サイトの作りを褒められました。一つひとつは、そんなにおかしなことを言っていません。ただ、全体としては大げさだった。

電話を切ってから、なぜそう感じたのかをしばらく考えていました。


見てはいたと思う

最初は「見ずにかけてきたからだ」と思いました。名簿から番号を取って、順番にかけている。だから具体的なことが言えなくて、量で埋めている。そう考えると、つじつまは合います。

でも、たぶん違います。あの人は、サイトを見てはいたと思うのです。

話の中に出てきた言葉は、実際にページにある内容でした。正直に書いている、誠実に見える、考え方がしっかりしている。書いてあることを、ちゃんとなぞってはいる。

引っかかったのは、そこではありませんでした。


なぜそうしたのか、には触れていなかった

私のサイトには、自分のアクセス数を毎月そのまま載せる欄があります。訪問者数も、問い合わせ件数も、良くない数字のまま出す。

これは、そうしないと言っていることと矛盾するからやっています。人のホームページを点検して回る以上、自分の答案も見せないと筋が通らない。載せない選択もありましたが、載せないなら別のことを書くべきだと思いました。

ほかにも、順位を約束しないと書いている理由、サーバーとドメインをお客様の名義のままにする理由、それぞれそうしなかった場合に何が起きるかとセットで書いてあります。

会話の中で、その部分に触れた言葉は、ひとつもありませんでした。

褒められたのは、全部結果のほうです。正直ですね、誠実ですね、しっかりしていますね。なぜそうしているのかは、素通りされていた。

つまり、こういうことだったのだと思います。

わざとらしさの正体は、褒めの量ではなく、理由に触れていないことだった。

そして、理由が分かっていないと、褒め言葉は具体的になりません。どのサイトにも使える言葉しか出てこない。だから同じような表現が繰り返されて、量だけが増えていく。

過剰さは、理解が足りない分の埋め合わせだったわけです。


私も、送っている側です

ここは正直に書いておきます。

いま私は、広島の士業事務所に一件ずつ連絡を送っています。頼まれてもいないのに、勝手に送っている。構図としては、あの電話とまったく同じです。笑える立場ではありません。

私が送っているメールには、褒め言葉がほとんど入っていません。代わりに、こういう一文が入っています。

スマホで、掲載されている電話番号をタップしたのですが、発信画面が出ませんでした。長押しして番号をコピーすることもできず、目で読んで手で打ち直すことになりました。

自慢できるような文章ではありません。ただ、実際にそのサイトを開いて、実際に指で触った人にしか書けないとは思っています。

でも、理由までは分かっていません。

なぜその事務所のサイトがそうなっているのか。いつ、どんな事情で作られたのか。直せない理由があるのか、気づいていないだけなのか。私は何も知りません。知らないまま、外から見えたことだけを書いて送っています。

そこは、あの電話と同じです。触れられる範囲が事実か結果かという違いはありますが、背景を知らないという点では変わらない。

だから、あの電話を「ひどい」と切り捨てるつもりはありません。同じ場所に立っていて、埋め方が違うだけだと思っています。


数が増えて困っている方へ

この記事を読んでいる方が事務所や店舗を構えていて、ホームページを持っているなら、たぶん同じ電話を受けています。「ホームページを拝見しまして」。

減らす方法は、正直あまりありません。特商法の表記は載せなければならないものですし、証明書の記録も消せません。

できることがあるとすれば、問い合わせページに「営業目的のご連絡はお断りしています」と一行書いておくことくらいです。かかってくる数が減るとは思いませんが、断るときに少し楽にはなります。


そして、乗るふりをしたぶん、向こうの記録には「反応あり」と残っているはずです。またかかってくると思います。

そのときは、または勉強にお付き合いいただこうかな。ごめんね。

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