ホームページを頼むとき、これだけ聞いておけば後で困りません
広島でWeb制作をしている川島です。
先日、広島市内の士業事務所のホームページを見て回りました。営業先を探すためだったのですが、見ているうちに別のことが気になってきました。
「これは、頼んだときに聞いておけば防げたな」という状態が、けっこうな数あるのです。
ホームページの発注は、10年に一度あるかどうかです。頻度が低いのに金額は小さくない。慣れないのは当たり前です。そして困ったことに、困りごとの多くは、作っている最中ではなく公開した2〜3年後に出てきます。
業者を見分ける話ではありません。まっとうな相手でも、聞いていなければ起きることの話です。5つだけ挙げます。
1「文章と写真は、どちらが用意しますか」
一番よく止まるのがここです。
デザインの話は盛り上がります。色、写真の雰囲気、他の事務所と比べてどうか。それが一段落したあと、「では原稿をお願いします」と言われる。ここで止まります。
業務内容の説明、料金の考え方、代表挨拶、経歴。これを全部書くのは、思っているより重い作業です。本業の合間にやることになります。制作が半年止まる理由は、たいていデザインではなく原稿です。
聞くべきは2つ。
「文章はどちらが書きますか。私が書く場合、どのページを、いつまでに、どれくらいの分量で出せばいいですか」
分量の目安まで出してくれる相手は、進め方を分かっています。「お任せします」と言われたら要注意です。あとで丸ごと戻ってきます。
写真も同じです。撮影が費用に入っているのか、こちらで用意するのか。事務所の外観と、先生の顔写真だけでも、素材があるかどうかで印象がまるで変わります。
2「公開したあと、文章を直したいときはどうなりますか」
料金表を変えた。担当が増えた。取扱業務が増えた。
こういう変更が、いつか必ず来ます。そのときにどうなるかを、頼む前に確認しておいてください。
「公開後に文章を1か所直したい場合、誰が作業しますか。1回いくらで、何日くらいかかりますか」
答えは3通りあります。
- 自分たちで直せる(管理画面から編集できる)
- 業者に頼む(1回ごとに費用)
- 月額の管理契約に含まれる
どれが正解ということはありません。 ご自分で触るつもりがないなら、都度お願いするほうが気楽です。逆に、月に何度も直したいなら自分で編集できたほうがいい。
まずいのは、決めないまま公開して、直したくなったときに初めて金額を知ることです。「1文字の修正で1万円かかると言われた」という話は、たいていこの経路で起きます。
3「今回の費用に含まれていないものは何ですか」
制作費とは別に、毎年かかるお金があります。
ホームページを置いておく場所の代金と、住所にあたる名前の維持費です。合わせて年に1〜3万円程度が一般的です。金額としては大きくありません。問題は、知らされていないことがあるという点です。
最初の1年分が制作費に含まれていて、2年目から請求が来る。あるいは業者がまとめて払っていて、そこと縁が切れた瞬間に止まる。数年後に「急にホームページが見られなくなった」という相談は、だいたいこれです。
「制作費とは別に、毎年かかる費用はいくらですか。支払いはどちらの名義になりますか」
名義を聞くのが要点です。 事務所の名義になっていれば、業者が変わっても続きます。
4「あとから別の会社に頼むことは、できますか」
これが一番実害が出ます。
ホームページには、月額いくらで借りて使うタイプのサービスがあります。安く始められて、更新も簡単。悪いものではありません。
ただ、このタイプはやめた瞬間に中身が残らないことがあります。書きためた文章も、作った構成も、そのサービスの中にしかない。別の会社に頼み直そうとしても、渡せるものがない。ゼロから作り直しです。
先ほど90件見たと書きましたが、そのうち十数件がこのタイプでした。先生ご自身が「直したい」と思っても、直せる裁量が事務所側にない状態です。
「今後もし別の会社にお願いすることになった場合、これまでの中身は引き継げますか」
引き継げないなら、それを承知のうえで安く始めるという判断はありえます。知らずに入るのがまずい、というだけです。
5「完成したかどうかは、何を見て判断すればいいですか」
意外と決まっていないのがこれです。
「できました」と言われる。見る。なんとなく良さそう。OKを出す。——後から気になる箇所が出てきても、もう検収は終わっています。
「納品のとき、私は何を確認すれば完了と判断できますか。確認する項目を先に教えてください」
この質問に具体的に答えられる相手は、まず信用できます。逆に「ご覧いただいて問題なければ」としか返ってこない場合は、こちらから決めてしまってかまいません。
たとえば、ご自分の携帯で、トップページだけでなく料金のページと事務所概要のページまで開いてみる。 文字が小さくて読めない、横にずれる、といったことがないか。これだけでも十分な検収項目になります。パソコンでは整って見えて、携帯で崩れているサイトは本当に多いです。
全部聞かなくてもいいです
5つ挙げましたが、打ち合わせの場で全部出すのは大変だと思います。
ひとつだけ選ぶなら、4番です。 他の4つは、あとから費用や手間で調整できます。4番だけは、気づいたときには選択肢が消えているからです。
ここに書いたことは、私に頼むかどうかとは関係ありません。すでにお付き合いのある制作会社さんがいるなら、そのままお使いください。次の打ち合わせで1つ2つ聞いてみるだけで、数年後の面倒がだいぶ減るはずです。
広島市および近郊の士業事務所のホームページを拝見しています。今のサイトがどの状態にあるか分からない、という場合は、状態だけお伝えすることもできます。ご依頼をいただかなくても差し支えありません。
川島佑介(屋号:テクスケ) 広島市|Web制作 techsuke.kawashima@gmail.com